2011年01月12日

世界に抗うこと

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 はじめまして。SPOTTEDで直井の下でやってます伊藤と申します。今回音楽×映画の実験室、「MOOSIC LAB」という特集上映個人的にも大変楽しみにしていますので、盛り上げていきたい気持ちからこれから少しブログの方を書かせて頂きます。お付き合いのほどよろしくお願いします。

 直井さんからこの企画を聞いた時に、一番最初に頭に思いついたのが今回のラインナップで最後に紹介された、銀杏BOYZ初めてのDVD「僕たちは世界を変えることができない」だった。ただ単に観たかっただけかもしれない。しかし、音楽×映画の実験というテーマに正にピッタリな1本だと思うのだ。この作品は2003年1月15日GOING STEADY解散から、銀杏BOYZ結成、峯田和伸の映画出演(「アイデン&ティティ」)、度重なるレコーディング、そして2005年に発音源を出すまでを追ったドキュメント作品だ。

 僕は銀杏BOYZを初めて聴いた時の事を未だに覚えている。発売日にCDを買いに走り、就職活動中だった僕は電車の中で封を切り、CDウォークマンにセットしてイヤホンを耳に突っ込んだ。エントリーシートを貰いに行くべきだったのに、降りるはずの駅は後ろで延々と乗り続けた電車は行った事もない県をも跨いだ場所にいた。そのまま家に帰ったのは言うまでもない。思えば、あそこが1つ人生の曲がり角でもあったように思う。
 あそこから僕はサブカルチャーに傾倒していった。個人的にそういう思い入れたっぷりのバンドなのでもはや銀杏BOYZを冷静に観る事はできない。僕は銀杏BOYZが大好きだ(この際大好きには俺の人生返してくれといった意味も込めている)そんな大好きなバンドの物語が「僕たちは世界を変えることができない」

 銀杏BOYZのメンバーが、スタッフが本当に裸になって縺れ合って、殴り合って、抱き合って、グチャグチャになって濃ゆい濃ゆい時間を共に過ごし、世界に抗う姿がそこにはある。映画を観る事、音楽を聴く事、本を読む事、漫画を読む事、あるいはそれらを産み出す事は世界へ抗うという事なんじゃないかと思う。その最たる例が銀杏BOYZであり、この作品で納められている「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2004」のライブ・テイクではないだろうか。

 峯田和伸がギターを弾いていた手を止め、手拍子をするオーディエンスを怒鳴りつける。もう一度頭から「人間」を唄い出す。ステージの袖からチン中村・村井守・安孫子真哉が現れ、演奏に加わる。どんどんと渦巻く混乱と熱狂。途中、峯田和伸が拡声器とチューブマットを手にステージを降り客席へ。オーディエンスの上をチューブマットで渡ろうとするが、もみくちゃにされて全然進まない。それでも客席の方へと消えて行く。
 ステージでは3人の演奏が続いている。が、まずチン中村がギターを放り投げステージ上で暴れ回る。次に安孫子真哉がベースを置き、村井守へ水をかけたり、客席に何かを投げ入れ始める。最後、村井守だけはドラムを叩き続け、雄叫びを上げる。そこに安孫子真哉のベースが戻ってくる。間を置かずに、チン中村のギターも帰ってくる。3人がとても良い表情で、銀杏BOYZの音を出す。そこへ、客席を1周しボロボロになった峯田和伸が帰ってくる。峯田和伸のボーカルが加わり、長い長い「人間」を終える。
 
 この圧巻のステージを、スクリーンで観たい。そして、多くの人に観て欲しい。世界へ抗っている銀杏BOYZを観て欲しいし、聴いて欲しい。銀杏BOYZは世界を変えることができないのかできるのか。これを観た僕は? 私は?
 とにかく楽しみな1本であり、スクリーンで観られる少ないチャンスでもある今回の上映楽しみにしていて欲しい。

 最後に、監督である手塚一紀さんに敬意と今回の上映をピックアップして頂いた九龍ジョーさんに感謝を表したい。また、今回のブログの参考文献そしてこの作品の副読本として「QUICK JAPAN」vol.73-75で磯部涼さんが書かれてる銀杏BOYZ特集を紹介したいと思います。

クイック・ジャパン75 (Vol.75) [単行本] / 荒木飛呂彦, 銀杏BOYZ, ジョジョの奇妙な冒険, 峯田和伸, Perfume (著); 太田出版 (刊)


posted by MOOSIC LAB at 22:05| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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